『育児は仕事の役に立つ 「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ』という本を紹介します。
これは社員育成業界では有名な中原先生(現在は立教大学/当時は東京大学)の研究室に入られた浜屋さんという方が書いた本です。
私なりの解釈で言うと、「ワンオペ育児は良くないよ」という話が取り沙汰されることも多いんですけれど、「育児というのは、家事と予期しない子供の状態に臨機応変に対応しないといけない」ということも含めて、家事の計画性と予期しないことへの対応力という臨機応変さ、のこの2つの力が同時に育成されるというのが、育児だと思っています。家事と子供に接するという両方の面からですね。
なので私自身は、女性活躍という観点から言っても、育児をしている女性は仕事のスキルは上がっていると思っていますし、専門的な知識だとか、どういう書類を扱うか、ということは、1週間もすれば慣れることなので、そこに対しての不安というよりは、どうやって仕事を組み立てて、これやってる間にこっちやっといて、効率的に動きながら、それに予期せぬ状況が起こっても対応できる!みたいな、そんな能力を持っている女性に活躍してもらえるような会社づくりを進めた方が、会社としては良い人材の獲得に繋がるだろうと思っています。
「育児が仕事のブランクになる」みたいな相談って主婦の方から非常に多くて、あきた総研としてもママ向けの就職説明会も年に1回やったりしているんですけど、そういった時の相談ってだいたい「ブランクがあるので、徐々に時短勤務から始めたいです」とか「週2,3日から始めたいです」というものです。
ですが、育児をずっとやってらっしゃることを考えると、ずっと動きっぱなしで頭も回転させ続けているという状況ですから、仕事への慣れっていうのは、私自身はあまり必要ないと思っています。徐々に移行するという意味では、家事の部分を配偶者の方と分担しながら仕事の配分と家庭の配分という、ワークライフバランスは持った方が良いかなと思っています。
社会人として仕事をする実力、という観点でいうと、「育児というのはものすごく重要な人材育成に繋がっているな」と思っているので、そういったことを学べるこの本をお勧めします。
▼書籍情報
浜屋祐子/著 中原淳/著 光文社新書
▼著者紹介
浜屋祐子(はまやゆうこ)
国際基督教大学教養学部卒業後、企業勤務を経て、東京大学大学院修士課程修了(学際情報学)。現在は経営教育事業に携わるとともに、はたらく大人の学びに関する研究を続けている。著書に『アクティブトランジション働くためのウォーミングアップ』(共著、三省堂)、『人材開発研究大全』(共著、東京大学出版会)がある。
中原淳(なかはらじゅん)
東京大学大学総合教育研究センター准教授。1975年北海道生まれ。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・リーダーシップ開発について研究。著書に、『経営学習論』(東京大学出版会)、『リフレクティブ・マネジャー 』『会社の中はジレンマだらけ 』(ともに共著、光文社新書)など多数。
著者紹介出典:https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039776
まとめ
育児は計画性と臨機応変な対応を同時に育成するので、仕事のスキルアップや人材育成にも繋がるものである
関連リンク
「何か始めれば記念日」
株式会社あきた総研
代表取締役 須田紘彬
キャリアメンタリスト 地域コーディネーター
就職相談/人材確保/働き方改革/ダイバーシティ/選択肢/決断
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